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ハニワの里
今年も私はハニワの里にやって来た。夕陽の色の野原には、顔見知りの猫が一匹。中秋に満ちた月が日に日に欠けて終に消え失せるこの夜、ハニワは少しだけ成長するのだ。そっと座ると夜半を待った。
午前二時、天の川がもっとも低く垂れ込めるころ、ハニワはそっくり返る。うつろな口で夜空を吸いこむ。銀河が降りてくるさまはまるで渦巻くシャボンのよう。無心に呑み込みやがて星でいっぱいになる。それでも吸うのをやめない。
きしきし。きゅっきゅっ。
星が鳴る。内側からハニワを押し広げる。ハニワの目と口がぼうと光って、その瞬きが私を満たす。
空が白みはじめるころ、星は天へ還ってゆく。さかさまの滝のようにそれは果てなく流れ続ける。
やがて差す朝陽、それはとても冷たい光。猫がためらいがちにひと声鳴いたが、ハニワはもう動かなかった。
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